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理事長メッセージ

理事長 宮﨑 信義
 久山療育園重症児者医療療育センター(以下「久山療育園」「センター」と略)は1976年に開設され創立49周年を迎えました。これまでの歴史を振り返ると「設立理念」にありますように、収容型の施設にではなく出入り自由の、世に開かれた施設・福祉社会づくりの拠点として、1990年には全国に先駆けて重症心身障害児通園モデル事業(全国で5施設)に参加し、また2015年7月には「在宅支援センター」(在宅支援棟及びグループホーム「重症者ホーム ひさやま」)を開設致しました。歴史を振り返りつつ、2020年初頭以来の新型コロナウイル
理事長 宮﨑 信義
ス感染症の集団発生という危機にあっても、創立理念に示されています尽力された職員や支援者の厚い思いと重症心身障害児(者)とご家族の願いが継承されますように願っています。これまで大切にされてきた設立理念の再吟味と、2026年の創立50周年を展望したいと思います。これまでの半世紀にも及ぶ主の導きや職員・保護者会、多くの支援者(ミットレーベンネットワーク)・ボランティア会・諸教会・地域の方々)に感謝しつつ、今後も「重症児(者)と共に」医療・療育・福祉事業を進めていければ幸いです。更に久山療育園の活動は、社会福祉の発信と共に平和の実現な参与することでもあります。

設立理念に従って
 新約聖書(新共同訳)コリントの信徒への手紙二 4章18節の「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」が久山療育園重症児者医療療育センターの創立聖句です。私は毎年の年度目標や開園祭のテーマを考える時には「設立理念」に照らして年度目標を掲げようと思っています。そのたびごとに、設立後49年を経ても、いつも創立理念の新しさを覚え支えられていることを思い起こします。以下に、その理念に応えるあり方を考察致します。

①「設立の目的」から
 「重症心身障害児に愛の手を」から「重症児者と共に」在宅及び入所重症児者の必要に聴く診療計画・個別支援計画が起こされ、その実践に務めています。また、「重症児が社会の片隅に収容されて生きるのではなく、むしろ地域の中心に位置付けられることを願う」ことから「在宅支援センター」の建設・開設(2015年7月)が実施され、豊かな生活空間(グループホーム「重症者ホームひさやま」)とセンターによる医療支援が行われています。「久山療育園は単なる収容施設ではなく、新しい福祉社会(福祉共同体)づくりの拠点である」と示された理念に導かれ、広く地域福祉に働く「在宅支援棟」も機能しています。現在はホームも地域に更に開かれた「日中サービス支援型」への移行を計画しています。このように「在宅支援センター」の働きから、福祉共同体の実現、地域医療連携へと歩を進めています。

②「運営基本方針」から
 「久山療育園はキリストの福音を土台として運営されなければならない」という理念から、ミットレーベンネットワークや諸教会及び保護者会、ボランティアとの協働によって園の方向が示され維持されています。

③「療育基本方針」から
 「久山療育園は、病院であり学校であり家庭である。われわれは対象者を技術論的にではなく、全人的にとらえる。そのために、それぞれ最善の職際的協力を進めることによって、その専門的領域の働きを全うしなければならない」という言葉から、「久山療育園の療育」の再確認と医療マインドに基づく生命の尊厳を支え、QOL(生活の質・生命の質・人生の質)を重視しています。行政施策でも重視されています「医療的ケア児」に対する医療支援をさらに拡充していくこと、在宅重症児者の発達支援やコーディネーター事業の推進も進めて参りたいと思います。
「医療的ケア児」への支援と共生
 2021年(令和3年)6月11日に「医療的ケア児支援法」が成立しましたが、在宅や入園の医療度の高い重症心身障害児(者)と共に生命の尊厳や家族支援に務めて参ります。

2025年度事業計画
 2025年度年間主題は、「創立50周年(2026年)に向けて~将来計画の策定(増床申請等)」、開園祭テーマは「創立50周年(2026年)の重症児(者)との共生社会の実現」と致しました。