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センター長メッセージ


センター長 岩永 知秋
 2022年8月の夏は福岡では酷暑が続いていますが、一方東北や北陸では大雨による水害が報道されています。今年は福岡の桜の開花が全国で最初であったり、九州北部の梅雨が17日間という、これまでで最短の記録だったりと、地球温暖化による気候変動は私たちの足元にも及んでいるようです。2月末に始まったロシアによるウクライナ侵攻は8月の今なお続いており、間もなく半年になろうとしています。核戦争や世界大戦へのリスクは依然残り、国連にもこの紛争を止める力はありません。
センター長 岩永 知秋
 小麦の輸出をはじめとする食糧危機、エネルギー安全保障の崩壊、そして全般的な物価上昇など、世界情勢は先の読めないカオスの中にあります。いつかは起きるのが明白な問題を放置し、大きな被害が起こる事態を「黒い象」、これに対して想定外の危機が起きることを「黒い白鳥(ブラックスワン)」というそうですが、さしずめ気候変動は前者、ウクライナ侵攻は後者になるのでしょうか。
 このように世界の安定が揺らいでいるなか、久山療育園のこの1年はやはり新型コロナウイルスとの戦いに明け暮れたといっても過言ではありません。日本では昨年8月をピークとする第5波、本年1-2月の第6波、そしてこの7-8月の第7波と流行の波濤に襲われています。ウイルス変異も進み、第5波のデルタ株から第6波のオミクロン株、そしてそのオミクロン株の中でもBA.1からBA.2、そしてBA.5と姿を変えてきました。これに対して当園では、昨年末から今年2月にかけて3回目のコロナワクチン接種、そして7月から8月にかけて4回目の接種を、職員及び利用者に対して行いました。またこの間、定期的に職員のPCR検査を継続してきました。5月中旬に1度だけ小規模なクラスターが発生しましたが、6名(うち1名は入所者)でおさまり、全員が無事に回復し、幸いその後の拡大はありませんでした。職員の一人ひとりの必死の感染防御が功を奏したものと感謝しています。しかし、7月からわが国は第7波の到来となり、これまでの6回の流行に比べて圧倒的な数の新規感染者が記録されています。当センターでも家族の子供さん経由で職員にも陽性者がポツポツと散発しています。濃厚接触による自宅隔離を含めると、職員の勤務体制に若干の影響が出ていますが、何とか滞りなく体制が維持できています。今後この新型コロナウイルスの変異や流行の波がどのように続くのかわかりませんが、私たちは感染防御の基本に則り、適切に機動的に対処していきたいと思います。
 さて、センターの今後に目を向けましょう。2023年11月には西日本重症新障害施設協議会を、当園と北九州総合療育センター、柳川療育センター、および虹の家の4施設が担当することになりました。現在その内容について協議中ですが、開催に当たっては多くの皆様にご協力をお願いすることと存じますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。また、2024年3月までにBCP(事業継続計画)の策定、働き方改革の一環としての医師の宿日直管理、データ提出加算に対する対応など、宿題・課題が目白押しです。人事では今年6月に中村晴光事務局長が退職され、代わって鍋山泰三事務局長が就任しました。難局が続きますが、引き続き久山療育園はワンチームで今後も頑張っていきたいと考えています。皆様方の温かいご理解とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

久山療育園重症児者医療療育センターについて

久山療育園重症児者医療療育センター(「久山療育園」)は1976年9月に開園し、2008年度に「久山療育園重症児者医療療育センター」と名称を変更しました。それは、これまでの働きが創立理念に従って、進めてきた結果です。即ち「久山療育園は単なる収容施設ではなく、新しい福祉社会(福祉共同体)づくりの拠点である」という理念に基づいて、2015年7月に「在宅支援センター」が開設されました。
「在宅支援センター」の働きから福祉共同体の実現、地域医療連携へと、創立理念がようやく実現に至る端緒に着いたことになります。「在宅支援棟」の役割は、「在宅支援センター」の司令塔としての働きであり、「重症者ホームひさやま」は久山療育園の医療病床94床(①医療重点病棟、②療育重点病棟、③生活重点ユニット及び短期入所病床併設6床)へと繋がる第四の入居受皿となるグル−プホームです。これまで限界まで家庭で過ごして来られた重症心身障害児(者)とご家族の付託に応えられる「共にある」存在となれれば幸いです。