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センター長メッセージ

医療療育を通し、新しい福祉社会づくりへ
●社会福祉法改定と久山療育園の事業計画
 平成28年度(2016年度)に一部改定された「社会福祉法」が施行されました。改正の骨子は、①改革の必要性(少子・高齢化や国際化の進展、低成長経済への移行、家庭機能の変化)、②改革の理念(社会連帯の考え方に立った支援、尊厳ある自立への支援~自助、共助、公助による個性ある福祉)、③改革の具体的内容として、社会福祉事業の範囲の見直し、社会福祉法人の役割・意義・公的助成の在り方、質と効率性の確保、地域福祉の推進という総論的には格調の高い福祉基本法でした。
 久山療育園重症児者医療療育センター(以下「センター」「園」)では、社会福祉事業への再投下や地域還元の具体的な取組である「在宅支援センター」が平成27年7月に発足し、その働きの充実と地域ニーズへの対応、高齢化する重症心身障害者及び家族の支援を拡充している段階です。
●行政施策の変遷と久山療育園の対応
①重症心身障害児(者)の個性・特性の理解と共生~支援:合併症の予防や診療上「治癒を目指す医療」に努力し、重症児者本人の苦痛の軽減と機能の回復を重視します。
②「療育病院」であること:久山療育園の「医療療育」、「児者一貫」。
③「療育病院」としての重症心身障害施設の役割を明確にし、入所(契約入所・措置入所・短期入所)、及び通所事業における健康管理・療育(活動やリハビリテーション)・介護・補装具の処方・障害児(者)歯科を実施しています。
④「在宅支援三本柱」(通所・短期入所・訪問)の確立は、地域の重症心身障害児(者)支援の中核となる働きです。私たちの働きの対象である重症心身障害児(者)と向き合い(「特化する」とは特別視ではなく、はっきりと認識すること)、「共に生きる・生かされる」ことです。
⑤利用者の年長化・高度化へ対応することが求められています。職種間の理解と協働を向上するために、学会・研究会・講習会への参加を奨励しています。
●創立40周年以降の久山療育園の在り方と方向性~途上にある「在宅支援プロジェクト」の推進と新しいビジョンの策定
①「在宅支援三本柱」の推進:重症心身障害児(者)通所事業:成人(生活介護事業)+児童(児童発達支援)の拡充。短期入所事業:在宅を支える要として。相談支援員~看護部・診療部との連携。訪問リハビリテーション等の訪問事業の推進。
②新生児集中治療室(NICU)~「継続保育室」「回復治療室」「発育支援室」(GCU)~小児病棟との連携:在宅重症児(者)の必要を受けて、地域移行支援の受皿として中長期滞在型一時入所病床2~3床増床の可能性の検討。
③重症心身障害児者の家族と共なるコミュニティ形成の可能性、例えば「重症者ホーム」に続く「要介護家族ホーム」計画などの可能性も利用者(保護者)や支援者と対話しつつ求めて行きたいと思います。

 以上、平成28年の創立40周年事業が継続していく中で、社会福祉法の改定が施行されました。期せずして当園の理念に従って実践していた将来計画と合致致しましたが、これからも法制度を尊重しつつ、「重症心身障害児(者)と共に」創立理念を忠実に実践して参りたいと思います。

久山療育園重症児者医療療育センターについて

久山療育園重症児者医療療育センター(「久山療育園」)は1976年9月に開園し、2008年度に「久山療育園重症児者医療療育センター」と名称を変更しました。それは、これまでの働きが創立理念に従って、進めてきた結果です。即ち「久山療育園は単なる収容施設ではなく、新しい福祉社会(福祉共同体)づくりの拠点である」という理念に基づいて、2015年7月に「在宅支援センター」が開設されました。
「在宅支援センター」の働きから福祉共同体の実現、地域医療連携へと、創立理念がようやく実現に至る端緒に着いたことになります。「在宅支援棟」の役割は、「在宅支援センター」の司令塔としての働きであり、「重症者ホームひさやま」は久山療育園の医療病床94床(①医療重点病棟、②療育重点病棟、③生活重点ユニット及び短期入所病床併設6床)へと繋がる第四の入居受皿となるグル−プホームです。これまで限界まで家庭で過ごして来られた重症心身障害児(者)とご家族の付託に応えられる「共にある」存在となれれば幸いです。